食べるために生きること

老若男女問わず挨拶のように「ご飯を食べた?」と聞くのが当たり前で、初めて韓国人の友人が出来た時はなんだかむず痒く、違和感があった。

もはや一つの文化のような言葉「밥먹었어(パブ モゴッソ)?=ご飯食べましたか?」は韓国が貧しかった時代の苦い経験から来ていると言われています。


私が思う、韓国独特の食文化がこの3つ。


1野菜で巻いて食べる

サムギョプサルなど肉を野菜で巻いて食べるのは、元は健康や美容のためでなくいわゆる「カサ増し」文化の名残りだと言われています。

また、釜で炊いたご飯の底にこびりついた“おこげ”をふやかし、おかゆのようにして食べる「누룽지(ヌルンジ)」も栄養たっぷりの美容食として人気があるが、食べ物を無駄にしないという過去の習慣が元になっていると考えられています。

美容に関心のある女性には、韓国の食事は良いこと尽くめ。

細くて、肌がきれいな人が多いのは食文化の賜物かもしれません。


2テーブルいっぱいのおかず

小皿に少量のおかずを盛り付け、テーブルいっぱいに食べ物を並べる韓定食。

この小皿のおかずは반찬(パンチャン)といい、家庭でも豆もやし・ほうれん草などのナムルを常備して毎回の食事で多種類のおかずが並ぶように配慮するのが一般的。

この반찬が並ぶ食文化の由来は、現地の人に「食材が少ない時代、小皿に分けて盛り付けることで豪華に見せていた。食卓にボリュームを出すために始まった」と聞いたのですが…

ネットで裏を取ろうとしたらそんな情報は出こず…すみません真相は謎T_T

ちなみに반찬はおかわり無料なのも魅力的。

食堂によって味が違うので、반찬が美味しいお店へわざわざ足を運ぶ人もいるくらいなんですよ。


3 잘 먹고 잘 살아라(チャルモッコチャルサララ)という言葉


直訳は、「良く食べて、良く生きろ。」

この直訳の意味が幸福感があってとても好きだったのですが……。

実は、カップルが別れるときに「どうぞこれからはご自由に」という意味で使ったり、友達や家族とケンカ別れの際に「勝手に生きろ!」と、捨て台詞のように使うのが正解です。


つまり、今生でもう二度と会わない人のために使う言葉なのですが、直訳が「よく食べてよく生きろ」なんて、なんだか皮肉な感じがしますよね。

「잘 먹고 잘 살아라」は別れの言葉と知ってからも好きな韓国語のひとつです。



これらのエピソードからもわかるように、日本でも大人気の韓国料理には歴史が織りなした情愛と慈しみが詰まっているのです。


そして最初の話に戻ると、「ご飯食べた?」という言葉は自分を原点に返らせてくれる、本当に好きな言葉です。


裕福な現代に生きていると、食べる以外にあれもこれも欲しい。


ブランドが欲しい、時計が欲しい。


お金が欲しい。


現代は何をもって幸せか、価値観は本当に人それぞれでお金で満たされる人もいれば、物欲で満たされる人もいるでしょう。


20代前半の私もそうでした。

あれもこれも欲しくて、焦りで心はガチガチ。

なんでっていうくらい焦っていた。


でも韓国に出会ってからは、人は本来「食べるために生きている」のだと、教えてもらった気がする。


そうすると、ふっと力が抜けて生きるのがラクになったのです。


韓国の人はとてもパワフル。

年齢関係なく深夜から朝まででも、みんな一生懸命働きます。


そんな韓国を訪れると思い出すのは、食べる事の大切さ。

そして食事を大切にするという心の豊かさ。


東京のど真ん中に居ると、今でも欲しい欲しいと心の渇きが聞こえることがある。


そんな時、目の前の食事に手を合わせ「いただきます」と言ってみる。

母が作ったなんでもない家庭料理を、声に出して美味しいと言う。


とても幸せで、満たされた気持ちになれるから。




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