僕は天才じゃない


受験、軍隊、とにかく「努力」が美徳の国。

特に韓国の受験戦争に関しては鬼気迫るものがあり、渋滞で受験生が遅刻しないよう警察がパトカーを出動させるのは有名ですよね。


みんなここまで死に物狂いで勉強して大学受験に賭けるのは、韓国が“超”学歴社会でそれで本当に人生が決まってしまうから。


しかし、近頃の就職率は60%以下。

2017年、深刻な「就職氷河期」に直面していると韓国紙では報道している。


就職難で多くの学生たちが血の努力が無駄になる絶望を味わっているうえに、外見至上主義の韓国では面接にルックスも必要だと言われている。

面接での印象を良くするために就活前に整形を施す人も居るくらいなのだ。


日本でも、韓国でも、社会で生き抜くために持って生まれないものも努力で手に入れ、そして努力で手に入れたとしても報われないことだってある。


人生はゴールがないマラソン……そんな表現を良く耳にするが、こういう現状を考えると反論の余地のないフレーズだと感じる。


韓国にはこんなことわざがある。


하늘이 무너져도 솟아날 구멍은 있다

(ハヌリ ムノジョド ソタナル クモンウン イッタ)

訳:空が崩れても、飛び出る穴はある


天が崩れ落ちてきそうな厳しい状況に遭ったとしても、必ず解決できるという意味のことわざです。


日本で言う

“止まない雨はない”とか、

“捨てる神あれば拾う神あり”

とかと似た意味かな。


人は絶望に遭遇しても生きていれば必ず道が開かれ、また新しい希望を見つけられるという教えはどこの国でも人の心の支えになっているんですね。


そして、こんなことわざもあります。


자신의 배가 가득하다, 사람의 굶주림을 모르는
(チャギ ペプルミョン ナム ペコップン ジュル モルンダ)

訳:自分のお腹が一杯だと、人が空腹なのがわからない


自分が満たされていると、他人の本当の苦しみに気付くことは出来ない。

だから、私達には苦労や挫折が必要だし、常に謙虚でなければならないという教えです。


私、ああいうやつはこうだ、あの人はいずれこうなる、人種がこうだからこう、人は結局変わらない.......

そんな風に勝手な価値観で決めたり、決められるのが苦手です。

この辺りはまた詳しく書きたいけれど、だから文字を書いたり物を作ったりする仕事を選んだのだと思う。


まだ折り返し地点にも達していない私の人生でも、今まで会ってきた大好きな人たちの中には、騙されやすく傷つけられても愛情を注ぐことを決してやめない強い人がいるし

お金が無くても、他人に使うことを惜しまない人がいるし、

外見に気を使っていなくて正直みすぼらしいと失礼にも感じてしまった人でも、一歩踏み込んで話してみれば内側に溢れるばかりの知識と、鋭い洞察力をもっていたりする。


가는 정이 있어야 오는 정이 있다
カヌン ジョンイ イッソヤ オヌン ジョンイ イッタ 

訳:行く情があってこそ、来る情がある。


こんな、“情”を大切にする韓国ならではの有名なことわざがあります。

先に自ら“情”をあげるから、“情”が帰ってくるんだよ、という意味。


見返りを求め続け、“情”が帰って来ないと決めつけて行動していたら、その人は結局“情”を受け取ることは出来ないのです。


世の中には

生まれた家がお金持ちの人もいるし、

美人で全て上手く人もいる。


ピアノの才能を持って生まれた人もいる、

同じレッスンを受けていても自分より上手にバレエを踊れる子もいる。


習ったことなんかなくたって歌が上手な人もいる、

溢れるようにすらすらと文章を書き賞をとる人もいる、

何でもカッコよくこなせる人もいる。





でも僕は天才じゃない



だから妬むのでも、蹴落とすのでも、這い上がるのでもなく




もっと必死で、足掻かなければいけない。









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韓国のこととかここに色々書きます。 hのコラムを日々更新。

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